真空における電磁場の量子化① 古典場電磁場の基準モード展開
すこし本を読んでいてまとめたくなったのでまとめます。
読んでた本は以下です。
- 作者: F.マンドル,G.ショー,Franz Mandl,Graham Shaw,樺沢宇紀
- 出版社/メーカー: 丸善プラネット
- 発売日: 2011/05/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
手続きとしては
- ベクトルポテンシャルを基準モード展開(フーリエ展開)する。
- 各モードの振幅に対して交換関係を定義し量子化する。
ね?簡単でしょう?
まずマクスウェル方程式のポテンシャル表示をします。
ポテンシャル表示を使った場合、ゲージ条件を任意で一つ選べるんですが、次のゲージ条件(クーロンゲージ)を採用します。
するとうまうまい具合にスカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルの式が分離します。
今回簡単のため真空、つまり静電荷も電流も流れていないと想定する。
するとスカラーポテンシャルはラプラス方程式に、ベクトルポテンシャルは波動方程式になります。
まずはスカラーポテンシャルについて。
詳細な過程は省きますが無限遠点で発散しない解は次の解のみになります。
ラプラス方程式の解放でググってください。
で、本命のベクトルポテンシャルについて。
境界条件として一辺Lで体積Vの立方体の境界で値が0になるという周期条件を果します。
この空間内でフーリエ級数展開するわけです。
ただしベクトルポテンシャルはその名の通りベクトルなので振動方向の任意性が有るため若干議論がややこしくなります。
まず正規直交基底を定義します。BaseなのでBとでもしておきましょうか。
方向の自由度は3次元あります。
そうするとこんな感じにいい具合に方向と周波数両方で直行します。
フーリエ展開の要領でAを展開してあげます。(基準モード展開)
ベクトルポテンシャルは物理量だから実数ベクトルであることに注意します。
ここでゲージ条件を忘れずに取り込みます。
ゲージ条件により方向の自由度は2に下がります。
これを波動方程式に放り込んで
結局ベクトルポテンシャルは以下のようになる。
電場と磁場はそれぞれ
ここで電磁場のハミルトニアンは
今日はこのあたりまでにしておきます。